戸建の一室を民泊ではなく旅館業として取得したので、その流れを備忘録として残しておきます。申請に関しては基本的に役所の人が丁寧に教えてくれるため、難しくはありません。 今回は山梨県甲府市のケースのため、自治体によって異なる点には注意してください。
空き家の再生

空き家を購入し、まずDIYで賃貸として出せるところまで改修しました。建物が大きかったので、シェアハウスとして運営しています。賃貸契約は法律上最低1ヶ月以上となっており、1ヶ月未満の場合は宿泊業になるため、民泊の準備を始めました。
保健所と消防署への相談
まず管轄の保健所と消防署に相談に行きました。保健所からは、民泊の家主不在型と旅館業申請の手間は変わらないとのことだったため、365日営業可能な旅館業を申請することにしました。家主居住型であれば申請は簡単ですが、ほとんど留守にできないため、外で仕事をしている人には難しいです。

消防署では、取り付けるべき消防設備とその場所を教えてもらいました(相談時には間取り図が必要です)。防炎カーテン、誘導灯、特定小規模施設用自動火災報知設備が必要とのことでした。今回は宿泊場所が2階だったため誘導灯が3台必要でしたが、1階の玄関に近い場所なら誘導灯は不要とのことでした。
用途変更の有無確認
次に市の建築課へ相談しました。戸建を宿泊施設として貸す場合、用途を「旅館」に変更する必要がありますが、今回の私の場合は宿泊部分が建物全体の50%未満だったため用途変更は不要でした。この用途変更不要の判断をした担当者の名前が保健所への提出書類で必要になるため、メモしておく必要があります。
チェックイン方法の説明
保健所に対してチェックイン方法と設備について説明しました。無人でチェックインするため、防犯カメラとWebフォームを使い、本人確認と宿泊者名簿への記入が確実に行える旨を説明し、了承を得ました。
工事

今回追加した設備は以下の3種類です。
- 誘導灯
- 特定小規模施設用自動火災報知設備
- 防犯カメラ
誘導灯の設置には電気工事士の資格が必要ですが、消防設備士の資格は不要です。ネットには誘導灯の申請には消防設備士の資格が必要と記載されている場合もありますが、それは業者が申請する場合の話で、自己所有物件の場合、消防設備士の資格は不要です。そのため誘導灯の設置は業者に依頼し、申請だけを自分で行うことも可能です。
特定小規模施設用自動火災報知設備は電池式で簡単に設置可能です。防犯カメラも近くにコンセントがあれば簡単に設置できます。
消防署への書類提出と消防点検
消防設備設置後、消防署へ必要書類を提出します。その後、管轄の消防署から連絡が来て日程調整をし、消防点検を受けます。点検内容は誘導灯がブレーカーを落としても点灯するかの確認、火災報知器、防炎カーテンの確認でした。適合通知は点検から約3営業日後に来ました。
🔥 消防署提出書類
- 防火対象物使用開始届出書
- 火災報知器図面
- 各階平面図
- 消防法令適合通知書交付申請書
- 消防用設備等設置届出書(火災報知器)
- 消防用設備等設置届出書(誘導灯)
- 電源系統図
- 特定小規模施設用自動火災報知設備試験結果報告書
- 配線
- 配線系統図
- 付近見取図
- 平面図
- 防火対象物の概要表
- 誘導灯概要表
- 誘導灯及び標識試験結果報告書
- 誘導灯図面
保健所への書類提出と検査
消防署からの適合通知を受け取った後、保健所から指示された書類を提出します。他の自治体の状況は分かりませんが、「旅館業における暴力団排除の推進に係る同意書」だけは警察の同意が必要なため、他の書類より1ヶ月ほど早く提出しました。
書類が揃ったら、保健所の窓口で提出し、申請費22,000円を支払います。その後、検査日の日程調整をします。検査は申請内容との一致確認で、約20~30分で終了しました。
営業許可は検査後約3営業日で発行されますが、許可証の発行には約2週間かかりました。
🏥 保健所提出書類
- 建築・消防添付しない理由(R2.12.10改)
- 営業施設の構造設備の概要
- 消防法令適合通知書
- 会社定款
- 付近見取図
- 平面図
- 立面図(建物外観写真)
- 旅館業営業許可申請書
まとめ
旅館業の相談から営業許可取得まで、今回は約3ヶ月かかりましたが、建築確認がなければ1~2ヶ月ほどで取得可能だと感じました。提出書類を事前にメールで確認してもらうことで、役所へ出向く回数を減らせます。 自己所有の200㎡未満の戸建なら建築確認が不要であり、消防設備士資格も不要のため、一般的な戸建であれば旅館業取得は比較的容易だと思いました(自治体によって厳しい場合もあるため要注意)。


